東日本大震災は、東北・関東の太平洋沿岸地域にきわめて深刻な被害を与えました。被災から9ヶ月が経過し、現在では多くが復旧期の災害ボランティアセンターから、復興期の生活復興支援センターへと移行しており、ボランティア活動の規模が縮小している中で、依然としてボランティアの手を必要としている地域があります。
岩手県陸前高田市は、平野部の建物はすべて津波で被災し、木造家屋のほとんどが流出し、市内は壊滅的な状態となりました。市内の主要な所のガレキ撤去はだいぶ進みましたが、重機が入れない場所など、人手が必要なボランティア活動は、まだまだ不足しているのが現状です
そこで、陸前高田市内でボランティア活動を行ない、また被災された方からお話を伺い、東京にいる私たちにできること、そして災害支援ボランティアについて考えるバスツアーを実施しました。
参加者は16名で、10代から70代までと幅広い年齢層の方々が参加されました。
12月16日午後10時、一行は、ウェルピアかつしかを出発し、翌朝8時半に陸前高田市災害ボランティアセンターに到着しました。そこでのニーズにもとづいて、気温−2℃、ときに小雪の舞う中、約半日かけ、津波に覆われた畑のガレキ撤去活動を行いました。
陸前高田市災害ボランティアセンター
災害ボランティアセンター朝礼の様子
17日の災害ボランティアセンターの情報
畑内のガレキ撤去
その後、ホテルに入り、気仙沼で被災された方から直接、震災当時のお話を伺いました。市内の様子の映像を交えて、そのときの職場の状況や、ご家族となかなか連絡がとれず心配された心境などを語っていただきました。
ホテルから見た気仙沼市内
翌日は宮城県南三陸町内をバスで移動しながら、被災した方の案内のもと、公立志津川病院や役場跡などを視察し、当時のお話を伺いました。最後には、南三陸町の防災対策庁舎前に設置された慰霊台に献花を行い、犠牲になった方々を悼みました。
元南三陸町役場跡
公立志津川病院
南三陸町防災対策庁舎
今回、生活者の被災体験を直接聞くことができ、地震当日の厳しい状況をあらためて認識することができました。そして、『私は、前向きに心を切り替えてがんばります!』という被災された方の言葉に強く心を打たれました。
私たち一人ひとりができることは、東京に戻り、見たもの!感じたもの!体験したこと!を多くの人たちに伝え、被災地の現状や復興支援の必要性を説き、そして、人々の防災意識を高めることであり、それこそが今回の大きな犠牲に応えることとなるのではないでしょうか。
今回のツアーの報告会を3月3日に行なう予定です。詳しくは後日お知らせします。