東日本大震災は、東北・関東の太平洋沿岸地域にきわめて深刻な被害を与えました。被災から1年3ヶ月が経過し、災害ボランティアセンターからほとんどが生活復興支援センターとなり、応急仮設住宅での生活復興支援とコミュニティづくりが行われています。
このように時間の経過とともに、ボランティア活動の規模が縮小している中で、依然としてボランティアの手を必要としている地域があります。
岩手県陸前高田市は、平野部の建物はすべて津波で被災し、木造家屋のほとんどが流出し、市内は壊滅的な状態となりました。市内の主要な所のガレキ撤去はだいぶ進みましたが、重機が入れない場所など、人手が必要なボランティア活動は、まだまだ不足しているのが現状です。
そこで、陸前高田市内でボランティア活動を行ない、また被災された方からお話を伺い、東京にいる私たちにできること、そして災害支援ボランティアについて考えるバスツアーを実施しました。
参加者は16名で、10代から70代までと幅広い年齢層の方々が参加されました。
6月15日午後10時、一行は、ウェルピアかつしかを出発し、翌朝8時半に陸前高田市災害ボランティアセンターに到着しました。そこでのニーズにもとづいて、雨の中、応急仮設住宅にグランドを提供している高田第一中学校の代替グランドを作るため、酔仙酒造跡地で細かいガレキ拾いを行いました。
午後からは、雨がひどくなり昼食の後、陸前高田市在住の佐々木さんに市内を案内していただきながら、3月11日の様子をお話いただきました。
夕方、気仙沼市内のホテルに入り、上尾市社会福祉協議会の災害ボランテ
ィアバスツアーの方々と一緒に、被災から1年3ヶ月をふりかえる「講話」
を聴きました。気仙沼市観光課の畠山さん、気仙沼市社会福祉協議会ボラン
ティアセンター所長の鈴木さんのお二人からお話を伺いました。
今後、気仙沼市では、このような語り部会のような企画を行っていく予定
だそうです。
翌日(16日)は、宮城県南三陸町内をバスで移動しながら、被災された昆野さんの案内のもと、現在も南三陸町災害ボランティアセンターのあるベイサイドアリーナや公立志津川病院跡などを視察し、当時のお話を伺いました。最後は、南三陸町の防災対策庁舎前に設置された慰霊台に献花を行い、犠牲になった方々を悼みました。
今回、雨のため現地で活動する時間は少なかったですが、その分地震当日の厳しい状況から今日までの足跡を、当事者から直接聴くことができました。陸前高田市では生活者の被災体験、気仙沼市・南三陸町では復興支援に携わっている関係者の視点からお話を伺いました。
お話を伺って、「あの時」そして、「今」「これから」を感じ取ることができました。東京に戻って、被災地で見たもの!感じたもの!体験したこと!を多くの人たちに伝え、被災地の現状や復興支援の必要性を説き、人々の防災意識を高めること、それこそが今回の大きな犠牲に応えることとなるのではないでしょうか。
今回のツアーの報告会を兼ねた災害ボランティア講座を9月29日(土)に行う予定です。詳しくは、8月25日の葛飾社協だよりでお知らせします。