私たちが日常生活を送るうえで、困難なことや、悩み、不便さなど、様々な生活課題があります。
生活課題の中には、近隣の助けあいや行政サービスによって対応するものもあります。
例えば、「困っていることを相談したいのですが、だれに相談したらいいのか分からない」、「足腰が弱ってきて、お掃除ができない」、「車椅子でお墓参りに行きたいのだけれど」、「急に残業になり、時間に保育園に子どもを迎えに行けない」など、近隣の助けあいや行政サービスで解決できることもたくさんあります。
「葛飾区地域福祉活動計画」は、地域におけるこのような様々な生活課題について、区民・地域・民間団体などが身近な問題として受け止め、一緒に解決していくための活動や取り組みを明らかにします。
第4次葛飾区地域福祉活動計画では、平成29年3月に策定した「葛飾区地域福祉活動計画 ~みんなで創り・育む 安心して暮らせる「わがまち葛飾の実現」(計画期間:平成29年度~令和3年度)の理念を継承しつつ、子どもからお年寄りまで、障がいがある人もない人も、地域に暮らすすべての人が、住みなれた地域において、安心して、いきいきと暮らし続けることができる地域社会を実現するため、第3次計画の推進状況や社会情勢の変化等に対応した見直しを行います。
この計画は、葛飾社協が呼びかけて、区民や地域の関係者・関係団体などの協働のもと、区とも連携しながら策定します。策定にあたっては、アンケート調査結果などに基づく現状と課題の分析、葛飾区地域福祉活動計画策定委員会、作業委員会での検討、パブリックコメントによる区民意見の募集などを行い、区民をはじめとする地域のさまざまな意見を計画に反映させます。
ポイント1 多様化・複雑化する地域課題への対応今や単身世帯の比率が一番多くなる等、人口構造や若者の雇用環境の変化などが進む中で、外国人、生活困窮者、ひきこもりなど地域住民の多様化も進んでおり、それぞれの住民が抱える生活課題もまた多様化、複雑化しています。このような地域課題に対応していくためには、従来の高齢者、障がい者、子ども・子育て世帯など対象者ごとに分かれた支援では不十分です。地域福祉の活動の中で、縦割りに捉われない分野横断的な取り組みを推進することで、複合的な課題を抱える対象者を包括的にサポートしていくことが必要とされています。また、認知症高齢者や障がい者など、自分の権利を守ることが困難な方をサポートするために、権利擁護支援を推進することも重要です。 |
ポイント2 活動の担い手や参加者の増加促進多くの活動で、活動の担い手の高齢化や新たな担い手の不足が深刻化しており、講座・講習の参加者数やボランティアの登録者数も伸び悩んでいます。アンケート調査結果から、活動に関心はあっても実際の参加に結び付いていない潜在的活動者が多数いることが伺えることから、気軽に活動に参加できるようにするためのきっかけづくりが重要であると考えられます。特に若い世代の参加が少ないことから、若年層にどのように働きかけていくのか、情報発信の内容や方法なども含めて検討する必要があります。 |
ポイント3 地域のコーディネーター役としての社協へ社協は今後、地域の「住民主体」の活動への支援を一層強化していきますが、地域では様々な活動主体が取り組みを推進している一方で、活動主体相互の理解や連携があまり進んでいないのが現状です。地域で様々な活動主体とのつながりを持つ社協には、人と情報のネットワークの中核としての役割を果たすことが期待されています。地域の期待に応えられるよう組織体制を強化するとともに、社協職員がより積極的に地域に足を運ぶことで、地域のコーディネーター役としての社協に変革していくことが求められています。地域住民や関係者・関係団体などの協働支援を通じて地域課題の解決に努め、より良い地域づくりに貢献していくため、地域の生活支援やネットワークづくりを担う専門職であるコミュニティソーシャルワーカー(CSW)の配置を検討していきます。また、誰でも気軽に立ち寄れて、お茶を飲みながら会話したり、心配事の相談などができる地域の居場所づくりを推進し、地域における様々な活動の拠点にしていくことで、地域における助け合いの輪を拡げていきます。 |
この計画は、区民や地域のさまざまな関係者などの協働により、葛飾区の地域福祉を推進することを目的とした行動計画です。葛飾区が策定した保健福祉の推進に係る諸計画との連携・整合をはかり、区と協働しながら推進していきます。
この計画は、令和4年度から令和8年度までの5年間を期間とします。その間、地域の現状や取り組みの進捗状況などをふまえて、必要に応じて見直しを行います。計画の最終年度にあたる令和8年度には、次期計画の策定に向けた全体的な総括を行います。